自分方位研究所

日々の活動記録

多良 美智子著「87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし」を読む

本屋に平積みしてあるのを、数か月前に発見。すぐに図書館で予約を入れ、ようやく順番が回ってきました。

本の題名通り、87歳ひとり暮らしの日常が綴られています。

題名もいいです。独りではなく、ひとり暮らし。

「独居老人」と言ってしまえば、仲間も無く、たった独りで孤独に生活しているイメージがありますが、著者、多良 美智子さんの生活は、基本的にはひとり暮らしだけれども、同世代の仲間との交流は日常的にあるし、離れて生活している子供たちも定期的に遊びにきてくれます。ご自身も心身ともにお元気で、高齢者のひとり暮らしとしては、まさに理想的。

日々の暮らしについて語られているのですが、読んでいてためになることや、気づきがたくさんあります。

先ず、料理ですね。毎日の料理。三食の献立とその作り方が参考になります。著者は65歳のときに調理師学校に通われ、調理師免許を取得されており、食が細くなった現在でも楽しめる料理を紹介されています。いくつになっても食べる楽しみは大切なのだなと実感しました。

針仕事や、絵手紙、花壇での花の世話など、どれも楽しんで長くやってこられていますが、私が気になったのは、読書記録と家計簿、10年日記、何でも貼り付けるスクラップブックについて。

・10年日記。もう3冊目を使用中とのこと。継続力が羨ましい。私も2018年?に両親に10年日記をプレゼントしたときに、自分用にも購入しており、しかし全然使っておらず、もう10年の半分くらいまで白紙できています。ほぼ日手帳は毎日付けているものの、10年日記まで手が回らず・・・というか回そうとしていないだけか・・・私のことはどうでもいいとして・・・

・読書日記。著者は読書好き。読んだ本は、日付/題名/著者名 をセットにして一覧表のように記録しておられます。これも写真から判断すると、10年日記のフリーページを利用されているようです。感想などは、日記欄に書かれているようです。日付を見れば、どのページに感想を書いたか一目瞭然。検索も完璧です。アナログなのに凄い。
この日付/題名/著者名だけの一覧で記録というと、ハードボイルド作家の 原 尞 を思い出しました。氏も若い頃から読書記録は、このやり方で・・・というのを何処かで・・・エッセイかな、あとがきかな・・・で読んだ記憶があります。

・家計簿。65年間継続。そして現在のルーズリーフ形式での運用になって60年目。
普通の罫線付きルーズリーフノートに 線を引き、1ページ8日分。シンプルな構成で自作。お金の流れはこれと現金出納帳の2冊で管理。「お金が減る不安」は無しと言い切っておられます。60年間同一方式。うーむ。見習いたいです。

・記録帳(スクラップブック)  パンフレットや美術館の入場券、切符などを貼るノート。リングノートを使われています。綴じたノートだと膨らんでまんまるになってしまいがちなので、リングノートはいいですね。少々の厚みの増加はリングがカバーしてくれます。

という感じで読み込めばヒント満載の本でした。「ひとり暮らしハック」とでも呼ぶべき本かもしれません。

以下、お孫さんと一緒に運営されている著者のYOUTUBEチャンネルです。

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