自分方位研究所

日々の活動記録

中村 光秀著「TOEIC300点から同時通訳者になった僕の英語学習法」を読む(続き)

昨日は第一章「TOEIC300点第から通訳者になるまでの軌跡」についてご紹介しました。きょうは第二章以降の英語学習法に関する内容について見ていきます。

TOEIC300点台から・・・という題名なので、学習方法もそのレベルからの手順を教えてくれるのかと期待して読み進めると、そうではなかったです。
ターゲット読者は、ズバリ、通訳者になりたい人。でしょうか。
第一章で著者が通訳者として活躍するまでの奮闘が語られていますが、私などはとても耐えられそうにありません。同時通訳者ってどうなのだろうと考えておられる方には、自分が進むべきかどうかの検討に大変役立つ内容だと思います。


第二章の学習方法では、ある程度の英語力を持った人が、どのようにスピーキング力を付けていくのか、そして企業の社内通訳者レベルになるのにはどのようにすればよいのかをメインとした学習方法なので、TOEIC300点台の人が参考にするには少しレベルが高いと思います。
初心者向けのアドバイスとしては、話すために文法力が大切。文法の基本例文を音読して、暗記しようとのこと。

本書の学習方法のメインはスピーキング。
英語の4技能(読み、書き、聞く、話す)は、話す力をメインに学習する。そうすれば、他の技能も合わせて向上してくるのだそう。

毎日の学習は「独り言英会話」をメインに実施。

「独り言英会話」とは、日常生活に使う文章や、時事問題などのニュース、気に入った文章などを集めて、それを英訳し、音読。暗唱できるようにする練習。一人で行う英会話練習です。例えば自分のことや身の回りのことなど会話相手に話をするようなことなどを英語の文章にして、ストックしていき、それをスラスラ言えるように練習します。

著者の師匠である横山カズ氏の「パワー音読」についても言及されており、本書に沿って訓練していこうと考えておられる方は一読されるのも良いかと思います。


本書を私は図書館で借りてきましたので、ノートに抜き書きしつつ読み進めました。
一般のビジネス書、学習指南書であればB5ルーズリーフ裏表使用で2枚(4ページ)ほどで済みますが、本書は内容を絞り込んでも5枚(10ページ)必要でした。
また、読み飛ばしも難しく、最初からじっくり読み進める必要があります。
重要なポイントについては、箇条書きなどでまとめられていますが、その他にも注意すべきことがらが文章中に散りばめられており、もし図書館本でなかったら、マーカーしつつ読むのになぁと思いました。

四六判182ページの小振りな本ですが、著者の全力投球振りが伝わってくる読みごたえたっぷりの本です。
図書館ではなく購入した方も、実践するためには、一読したあと、本書のやるべき手順をノートなどに書き出して、どのように毎日の学習に落とし込んでいくかの検討をされることをお勧めします。


英検の試験においても、ライティングと面接対策には、本書の「独り言英会話」がピタリと当てはまる対策なのではと思いました。
読んでよかったです。