「ある男」と再婚した女性。その夫が仕事中に事故で死亡した。しかし死亡した夫は、その名前とはまったくの別人だったという話。結婚した相手は本当のところ誰だったのか?という謎を解いていく物語です。
どうして別人だとわかったのか?これは物語の最初の方で明らかになるのですが、その後、彼女が以前、離婚調停で依頼した弁護士が、彼女に代わって調査していきます。
依頼を受けた弁護士自身の出自や彼の家庭における苦悩などをからませつつ物語は進んでいきます。
推理小説だと巻頭に登場人物一覧が提示されますが、本書では、それがありません。(文芸書では無いのが普通なのかな?)逆に無い方が楽しめます。
いや、読者が自分で登場人物名とその関係を線で結びながら読み進めると理解度と面白さが増すような気がします。
ちなみに、私は、読了後に相関図を書いて整理しました。
読んだ人のほとんどがやるのではないかなぁ。
この秋に映画が公開されますが、読んでから観るか、観てから読むか・・・ということでしたら、読んでから観た方が映画の理解度も深まるのではないでしょうか。
ほほぅ、こう表現するのか・・・と感心したり、原作との違いを見つけたり。
映画を観てから読むのでは、読み進めるときの、この先どうなるんだろう?というドキドキ感が無くなってしまい楽しさが半減してしまいそうな気がします。
と言っても、それは人それぞれですね。私は、出来れば読んでから観たいクチではあります。
今から映画が楽しみです。