自分方位研究所

日々の活動記録

千葉雅也 著 「勉強の哲学」を読む

勉強の哲学です。副題は「来たるべきバカのために」。

題名を見て、勉強に関するノウハウを、哲学的なアプローチで説明してくれる本と思って読み始めました。バカな自分でも勉強できるようになる・・・みたいな。
違いました。哲学を勉強するための本なのでした。

ぱらぱらを中身を見て、最後の章あたりに、ノート術、ノートを管理する、書くことで発想する・・・等の言葉を見つけたので、そのように勘違いしてしまったのでした。

いつものように、メモを取りながら読み始めると・・・1~3章まで、メモできないのでした。
どこをメモしてよいのかわからない。文字を目で追っているだけでは全く頭に入ってこないのです。流し読みはできません。

ただ、4章はノートの取り方などの技術的なことに触れていたのでわりとスムーズに読み進めることができました。

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そうは言っても、せっかくなので、最初から落ち着いて読んでいくことにします。哲学をまったく知らない自分が読んで理解できるのか、あやしいのですが。

先ず、副題の「来るべきバカ」とは・・・
深く勉強していくと、考え方も変化して、今までの自分が「バカ」だとしたら、もっと次元の高い「バカ」になるということ。勉強を続けていくことによる自分の成長=「来るべきバカになる」というように理解しました。

 

1章。通常、言葉とは人に何かを伝えるためのツールとして使っていますが、哲学では言葉を扱うので、言葉を言葉として、言葉遊び的なことも含めて、「哲学的な言い回し」みたいな感じで扱いましょうというようなことが書かれている・・・ように読めました。(なんとも歯切れの悪い感想で申し訳ありません。違っているかも・・・なので、ただの参考として読み流して頂ければ・・・)

2章。会話の中に、「ボケ」と「ツッコミ」取り込んでみる。
誰かが発した言葉に突っ込みを入れる。
ケーキバイキングでの会話。皆がおいしいといっているときに、おいしいという以外の発言ができるのか。
また、別の話題。芸能人の不倫について、皆が許せないと言っている中で、誰かが「不倫は悪なのか?」という問いを投げかけると、それはただのおしゃべりではなくなり、本質的な討論に変わっていく・・・

そして別の例では、恋愛話しで盛り上がっているときに「恋愛って音楽のようだよね・・・」と誰かが言うと、言葉が意味が広がっていくというような。

などの例を上げていて、哲学って面白いように感じてきます。

3章では、自分の勉強(哲学の)テーマの見つけ方について解説。自分自身の年表「欲望年表」とともに、その時代に起こった世相、出来事、商品などを書いていき、時代の流れの中での自分の位置を明確にしていこうということが書かれています。

ここでも、自分自身を哲学する方法として、例が三つ挙げられています。

・ 下働きばかりの若手サラリーマン
・ アラサー女性と結婚問題
・ 映画「君の名は。」

 

4章では、ようやく読み慣れたビジネス書の感じが出てきました。
著者のノウハウが紹介されています。いくつかあげてみると、
・勉強するには、入門書を複数読む
・引用時は、パクリ防止のため出典をハッキリさせる
・アイデアが出たらから書くのではなく、書くことで発想する
・勉強を継続させるには、日々ノートを管理する
・発想をまとめるには「アウトライナー」が良い

巻末には、各章ごとのポイントがまとめられており、補講として、本文に出てきたキーワードの解説が載せてあります。

 

哲学書などはまったく読んだことがなかったのですが、発想の仕方、物の見方等、今まで考えもしなかったことが色々学べて、よかったと思いました。