シンプル生活を提言されている、ドミニック・ローホーさん。
今回読んだ本は、「掃除する禅」とでも呼ぶべき内容です。一冊丸ごと掃除の本。
著者の本には、どうすれば捨てられるようになるか、その心構え、実践方法について解説された内容のものが多いですが、本書では、そういった内容は無し。とにかく掃除しようと呼びかけています。
本書の全体に「禅の修行」が感じられ、退屈な、あまり気のすすまない掃除を、いかに楽しく、すがすがしい行為とするかについて解説されています。
禅修行の雲水が掃除をする。その動きの中にも規律があり、無駄な動作がありません。
「私の掃除は禅修行」と思えるようになる一冊です。
「これが掃除」ということを教えてくれます。
本書は三部構成。第一章は「掃除についての考察」。第二章が「掃除の手順」、第三章「掃除と禅」となっています。
第一章「掃除についての考察」では
・自然に掃除しようと思えるようになるには。
・掃除が退屈だと思う人は、人生にも退屈している。
・掃除をせず放置している場所は、毎日自分にどのようなメッセージを送ってきているのか。
など、普通は、義務的にやっている掃除の意義について掘り下げて考えていきます。
そして第二章は、掃除の実践編。この本のメインとなる章です。
とにかく詳しい。掃除のハウツー本もここまでやるかと見紛うばかりの内容。
・掃除の前の片付け
・掃除に便利な洗剤と道具(洗剤についてはメーカー名まで出して詳しい解説あり)
「ザボンノワール ・リキッド」というのが凄いらしいです。観葉植物の害虫駆除から洗濯、台所の油汚れ落としまで。
・ホワイトビネガー、重曹の使い方。
・部屋、場所ごとの掃除の仕方。
・掃除での身の動かし方。軽やかな身のこなし。掃除でストレッチ。
そして、最後の章は「掃除と禅」
掃除を禅の修行ととらえての提言。禅寺に行かなくても、毎日修行ができます。曹洞宗開祖、道元の言葉も引用されています。
掃除といえば、掃除機をざざっと適当に動かし、一丁あがり!のような感じでやっておりましたが、本書を読んで、掃除に対する考えを改めさせられました。
掃除。奥が深いですね。