河村健吉 著 「自転車入門」(中公新書) の紹介です。
自転車を購入する背景としては、ある種の憧れを持って、とにかく自転車に乗りたい、という人と、健康のため、運動不足解消のために乗りたい人、そして、通勤、通学、生活の足として自転車を利用したいという人に分かれると思います。
私はもっぱら、自転車を生活の足として、近所の買物に利用する目的で購入しました。
乗り始めると、メンテナンスや、保管、疲れない乗り方はあるのか、などが気になり、図書館にて何冊か自転車関連の本を借りて読んでみました。
ほとんどの本は、乗り方、サドル調整、メンテナンス、パーツの取り付けなどを豊富な写真と共に紹介しているものでしたが、今回紹介する「自転車入門」という本は、自転車選びから、購入後の自転車ライフの楽しみ方まで、自転車を購入するとどんな楽しさが待っているかを紹介している本でした。
著者は定年退職を機に自転車に乗り始めたといいますが、それまで自転車とは無縁の生活だったそうです。その著者が自転車に乗るきっかけは、健康のため。そして乗っているうちにのめり込み・・・という、自転車遍歴が紹介されており、自転車を購入した人がたどるであろう道を追体験することができます。そして、自転車があると、生活がどのように変わっていくかもわかるようになっています。
自転車に乗る楽しさが実感できる内容になっており、これから自転車の購入を考えている人や、自転車に乗り始めた人にはとても役つのではと思います。
初心者に役立つ自転車関連書籍の紹介もあります。
本書の内容をざっくりお話すると、
●1章 ロードバイクを買うまで
本の紹介自転車の買い方/自転車との生活
著者の自転車とのかかわり。はじめて買ってからの自転車ライフ
●2章 スポーツバイクの事始め
自転車の種類/タイヤサイズや空気圧ギア比/フィッティング
●3章 自転車に乗る
ハンドルの握り方/走り方/コース紹介
盗難予防、サングラスやウェア
●4章 自転車乗りの知恵
サイクリングコース紹介
健康/消費カロリー/交通法規
特に2章は自転車の種類と特徴、タイヤサイズと空気圧などが細かく説明されており、サイクルショップに行くときの予備知識、自分の求める自転車はどれなのかを決める手掛かりになると思います。
4章のサイクリングコースの紹介では、著者が東京都国分寺在住のため、武蔵野を中心としたコース紹介になっていますので、東京以外の人には少し残念です。ただ、似たようなコースは全国にたくさんあると思いますので、お住まいの周辺で探してみるのも楽しい作業ではないでしょうか。
また、自転車はどこを走るべきなのか、事故事例などの解説もあり、街中を走る上での注意点なども学べるようになっています。
というわけで、生活の足として購入した自転車ですが、本書を読んで、自転車そのものにも楽しさがあることを発見しました。自転車初心者の自分としてはとてもためになりました。読んでよかったです。