自分方位研究所

日々の活動記録

アンデシュ・ハンセン著「スマホ脳」を読む

スマホ脳。スマホのような脳? どんな脳だろう? 表紙の絵を見ると、脳にスマホが突き刺さって稲妻のようなものが広がっています。

スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?という文字も。

いつもの通り、図書館で借りてきたのですが、我が町の図書館では3人待ち。よく利用する近隣市の図書館では24人待ち。どちらの図書館も蔵書は3冊。人気のある本のようです。次に待っている人がいるので、積ん読無しで即読みします。

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さて、何が書いてあるのかというと、スマホのせいで現代人の記憶力や集中力が低下している。節度を持って利用しようということを、人類が生き延びるために発達してきた脳のメカニズムの説明をとりまぜつつ説明されています。

20万年前から続く人類の歴史の中で、スマホが登場するのはここ最近のこと。
サバンナで生活していた頃の人類は生き残るために、周囲に危険はないか、常に新しい情報を探そうとしていました。
身の危険を察知すると、闘うか逃げるかを瞬時に判断して生き延びてきたのです。
脳の動きを見ていくと
・周囲の微細な変化に気をつける。
・変化を感知したら、心臓の鼓動を強く早くして、体がすぐに動ける態勢にする。
・闘うか逃げるかを瞬時に判断。二者択一。これ以外のことは考えない。

周囲の微細な変化に体が反応することを、全く鳴らないよりは、空振りが多くても鳴った方がマシという火災報知器例えて、「火災報知器の原理」と著者は呼びます。

これは現代人でも同じように動作していて、命に危険があるような状況でないときも発動します。例えば、
SNSで自分の投稿にイイネが付かない場合。これを緊急事態と脳が判断し、火災報知器が鳴動。心臓の鼓動が早くなり、ストレス状態に置かれます。その結果、睡眠、食事の消化吸収、繁殖行為などは後回し。即座に解決が必要な問題以外は全て後回しになってしまいます。周囲に気を配る余裕も無くなりキレやすくなります。

スマホに頼った生活を続けていると、このような状態に陥りやすくなるといいます。

また、スマホを持つと、リンクがあるとその先を見たくなり、新しい情報はないかと何度も確認したくなるとのこと。また、チャットの着信音を聞くと、幸福を感じる 「ドーパミン」が出てくるのだとか。そういった意味からも、スマホはドラッグであるとも言っておられます。

そういった人間の生存本能とどのように対応していけばよいのかを、その症状とともに説明してくれます。

では、どうすればよいのか。著者のアドバイスが巻末に載っています。いくつか紹介すると・・・

  • スマホをOFFにする時間を作る
  • 目覚まし時計と腕時計を買う (スマホを時計代わりにしない)
  • 寝室にスマホを持ち込まない
  • 教室ではスマホ禁止
  • 集中力が必要なときはスマホは別の部屋に置く
  • SNSは積極的に交流したいと思う人だけをフォローする
  • どんな運動でもよいので体を動かす。
  • さらに最大限にストレスを下げ、集中力を高めるには、週3回45分の運動 (できれば息がきれるくらい)

著者は精神科医で、適度な運動が、うつの症状の改善に有効なのだそうです。

スマホが及ぼす最大の影響は、利用者の時間を奪うこと。運動、人とのつきあい、睡眠などの時間が削られていくということ。その結果としてうつになりやすい状態になるのだとか。

私の場合は、スマホはともかく、Amazoプライムビデオに、結構な時間が吸い取られています・・・というか投入しています。これらの時間を英語学習にあてていればと思う毎日。観始めた瞬間から幸福感が・・・。まさにドラッグです。