たまにこのブログでも自分の読んだ本の紹介をすることがありますが、書くのに時間をかけている割には出来が散々で、書評の書き方が学べる本を読んでみるかなぁ・・・と図書館をうろうろしていました。
タイトルがそのものズバリな「書評の書き方!」みたいは本は見つけることができませんでしたが、書評家がこれまでに書いてきた書評をまとめた本は結構あります。
図書館でなくても、「〇〇文庫の100冊」などは、書店にいけば、無料配布しているのでは・・・
そういうのが書き方のお手本になるかなぁと思っていたら、「書評家人生」という結構分厚い本を発見。
これだけ分厚ければ、一冊くらいは自分がこれまでに読んだ本の書評も載っているはず。それを参考にして、自分の読後感と比べてみれば、書評家はどこに目を付けているのか、その要点がつかめるのでは・・・と借りてきました。

家に帰って、さて、どんな本が紹介されているかなと期待しつつ、巻末のこの本で紹介されている書籍を確認していきました。
シカシ・・・読んだ本は皆無。題名だけは聞いたことある・・・という本がホンの少しあるだけ。
いっぱしの読書家を気取っていた私ですが、全然ダメダメです。
本書は、毎日新聞に掲載された書評をメインに、各種媒体にて著者が発表した書評が掲載されており、日記風の書評ではなく、紹介する一冊ごとに独立した書評となっています。
自分の読んだ本の書評を研究するという目的は達成できませんでしたが、とりあえず、「まえがき」だけでも・・・と、読み始めました。
著者は、「書評はコスト(タイム)・パフォーマンスが最悪の『労役』である」と言いつつ、何故40年間も書き続けてきたのか?いう理由とともに、著者の、書評を書くにあたっての十一の原則が紹介されています。
その原則第一を紹介すると、
最初のページから最後のページまで飛ばし読みせずに、注も含めて一冊全てを読んだうえで書評する。
全十一の原則のうち、他の原則は守られないこともあるが、この第一原則だけは、全ての書評で守られているというのです。
この本は625ページあるのですが、私がこの本の書評を書くのに、最初から最後まで読み通すのはちょっと無理です。読んだとしても、ただ読んだという事実が残るだけで、内容なんて殆ど頭に残っていないと思います。(メモを取りながら読めばいいのかな・・・)
しかし面倒です。
書評は(長大な本などは)飛ばし読みで書かれていて当然・・・と思っていたのですが、映画評論家が、映画を飛ばし観して評論すれば、すぐにボロが出てしまうのと同じく、やはり、ちゃんと読んでいたのか・・・それが40年続けられた理由なのかと気づいた次第でした。
本書で取り上げられている書名リストだけを見れば、私にはまったく興味の無い本が殆どなのですが、書評は基本的に、読んでもらえるような工夫を考えて書かれているので、私などは、興味の無いジャンルの書評こそ読んでみるべきと改めて思いました。
ご参考までに、本書「書評家人生」の著者である、鹿島茂氏が主催されている書評サイトを紹介します。