自分方位研究所

日々の活動記録

宮田 昇 著。図書館に通う 当世「公立無料貸本屋」事情 を読む。

 

退職して以来、図書館にはお世話になりっぱなしで、借りた本を返しに行って、その足でまた借りてくるという無限ループを実行中で、自分にとっての図書館は、まさに無料の貸本屋だなぁと思っているきょうこの頃ですが、その思いがタイトルの本があります。

「図書館に通う」
サブタイトルが、" 当世「公立無料貸本屋」事情  "

 

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著者は 宮田 昇。児童文学の翻訳や自らも児童文学作家として活躍され、著作権コンサルの会社を運営するなど、本に関する仕事をされてきました。

著者は1928年11月生まれ。本書の出版は2013年5月ですので、著者84歳での著作ということになります。

本書は、著者のキャリアを通しての図書館のあり方を論じたものというより、定年退職した一市民という立場で図書館を利用し、感じたことをエッセイ風にまとめたものになっています。

目次を見ると、各章には、小説などの題名が付いていますが、書評というよりも、その本を図書館で借り、著者が、その本とどのようにかかわってきたのかをメインに語られており、そこに著者の思い出や考察などが絡まって、楽しく読み進められます。

 また、図書館の抱える事情についても言及しており、図書館の民間委託やTSUTAYA図書館なるものが存在するのも初めて知りました。

 

著者は、図書館は公立無料貸本屋でよい。但し、「タダで」貸してやる運営から市民参加型に舵を切ること、市民の意見を取り入れ、蔵書を増やし、利用者を増やさなくてはならない。そうでなければ、図書館に割り当てられる予算はドンドン 縮小し・・・と危機感を持っています。

この本を読み終わって、図書館で働く人の意見も聞いてみたくなりました。
今度はその方面の本を捜して読んでみたいと思います。