自分方位研究所

日々の活動記録

「日経新聞マジ読み投資術」を読む。

題名に「投資術」とあるので、日経新聞に、このテの記事が出たら買い!または売り!・・・みたいなことを、テクニカル分析的に教えてくれるのかな?と思って読み始めたのですが、そういう本ではありません。投資術というより、ビジネスマンとして、日経新聞をどのように読めばよいのか、読んだつもりにならないようにするにはどうすればよいかについて書かれた本でした。もちろん、投資に役立てる読み方も解説されています。

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昨日読んだのが、テクニカル分析での投資本でしたが、そういう分類で分けるとすれば本書は、ファンダメンタル分析寄りといえるでしょうか。

著者の渡部清二氏は、本書プロフィールによると、大手証券会社勤務時代から20年以上にわたり、日経新聞の独自の読み込みと記事の切り抜き、同時に「会社四季報」も全ページ読破を実践継続中とのこと。

本書の「はじめに」のページに、著者が記事の切り抜きに使用した大学ノートたちの写真が。本来の何倍もの厚さに膨張し、ノートがかわいそう、というかここまで使い込んでくれてありがとうと言っているようです。

著者が問うには、「日経新聞?読んでいますよ」という方でも以下のような読み方になっていないでしょうか。

・日経新聞を読んでいると言っても目を通しているだけ。
・日経新聞を当たる/当たらないの基準で読んでいる。または、当たらないから読まない。
というもの。

私などはご指摘どおりで、記事の上面をなめていくのが精一杯。読んだという事実は残りますが、読みっぱなしのため、その情報が後で頭に浮かんでくるということがありません。読んでいる最中は、ふむふむ。そういうことか!と思いつつ、さぁ読み終えたぞ。でおしまい。その後、その読んだ記憶が役にたつ場面は出てこないのです。

また、「○○、最高益!」とか「最高値!」など、スポーツ新聞か。と思うような見出しの記事を見て、株価を確認すると、その通り。これは行くぞと小躍りして出動しても天井をつかまされ「当たらへんやん!」と嘆くことに。それは読み方が悪いからで、当たりも外れもありません。

記事の切り抜きもしていますが、めったやたらに切り貼りするだけで、手間ばかりかかって後日活用する機会がありません。それでも切り抜きだけはドンドン増えていきます。

ふぅ。毎日何やってるのかなぁ・・・

などとため息はもう出しませんよ。

毎日読んでいても、どうも薄暗がりの中で、文字を追っているだけ感のする人も、本書を読むことによって、日経新聞を読むコツ、ポイント、読んだ記事を情報としてどう活かすかについて学ぶことができます。

投資をする上で大切なのは、「変化」ですが、その変化を見い出すには、見出しのキーワードに注意せよとのアドバイス。
本書では、実際の新聞記事の切り抜きを用いて、その見出し、内容を、どこに注目して読んでいくかを説明しています。また、別の記事との関連づけなども。

例えば、「夏のボーナス最高」という記事が出たときに、何に使うのか?という疑問を持っておくと、後日「夏休みは海外。過去最高」という記事を見つけたときに、旅行会社や航空会社等への投資を検討すべきだった!との気づきが生まれます。

このような感じで、異なる内容の記事39例を取り上げ、どう読んでいくのかを説明してくれます。

記事の切り抜きを実践されている方にとっても、効率的な記事選別感が養え、今後に活かせるスクラップ帳作りに役立つのではないでしょうか。

私の場合、実際に見出しを見て、「これは!」と読めるようになるには、本書を何度も繰り返し読む必要があるように感じました。


本書で取り上げられている記事例が、実際に読む新聞記事のどれに該当するのかを捜しながら読んでいくのも興味深いと思います。